建設業における会計業務は、一般的な企業会計とは異なり、現場ごとの原価管理や工事進捗に応じた計上など、独自の複雑さがあります。DX推進が叫ばれる中、クラウド会計ソフトの導入は業務効率化の鍵となります。

本記事では、国内で人気のクラウド会計ソフト「freee会計」と「マネーフォワードクラウド会計」を、建設業特有の現場・原価管理機能に焦点を当てて徹底比較します。あなたの会社に最適な会計ソフトを見つけるための参考にしてください。

freeeとマネーフォワード:建設業向け会計ソフトの全体像

まずは、両ツールの特徴を建設業の視点から一覧で比較します。

比較項目 freee会計 マネーフォワードクラウド会計
向いている人 小規模~中規模の建設業者、経理業務の効率化・自動化を重視、直感的な操作性を好む 中規模~大規模の建設業者、詳細な原価管理・経営分析を重視、既存システムとの連携を重視
特徴 ・会計知識がなくても使いやすい直感的なUI
・プロジェクト管理機能で工事ごとの収支を管理
・他freee製品との連携がスムーズ
・金融機関との連携が強固で自動仕訳精度が高い
・多様なクラウドサービスとの連携実績が豊富
・詳細なレポート機能で多角的な分析が可能
原価管理機能 プロジェクト機能で工事ごとの収支を把握。勘定科目・補助科目を活用し、ある程度の原価管理は可能。 詳細な勘定科目・補助科目設定とタグ機能で原価を細分化。外部の建設業向け原価管理システムとの連携でより高度な管理が可能。
現場管理機能 会計データと紐付けてプロジェクトの進捗を管理可能。現場固有の進捗管理は外部ツール連携が基本。 会計ソフト単体では限定的。外部の建設業向け現場管理システムとのAPI連携で情報の一元化を図る。
連携サービス freee人事労務、freee請求書など自社サービスとの連携が強み。API公開により外部サービス連携も。 マネーフォワードクラウドシリーズに加え、勤怠、経費、給与、販売管理など多岐にわたる外部サービスとの連携が充実。
操作性 簿記の知識がなくても直感的に操作できるUI。デザイン性も高く、初めての会計ソフトでも安心。 機能が豊富なため、freeeよりは学習コストがあるが、慣れるとスムーズ。柔軟なカスタマイズが可能。
サポート体制 チャット、メール、電話(一部プラン)サポート。オンラインヘルプも充実。 チャット、メール、電話(一部プラン)サポート。セミナーや相談会も開催。

freee会計:直感的な操作と柔軟な連携で効率化

freee会計は、会計初心者でも直感的に使えるデザインが特徴です。特にスピーディーな記帳とバックオフィス業務の一元化を目指す建設業者に適しています。

freee会計の建設業におけるメリット

  • プロジェクト管理機能: 工事ごとの収支をプロジェクトとして管理でき、全体の損益把握に役立ちます。
  • 直感的なインターフェース: 建設業の専門家でなくても、会計業務をスムーズに行えるよう設計されています。
  • クラウド型連携: freee開業、freee人事労務、freee請求書など、他のfreeeサービスとの連携が非常にスムーズで、バックオフィス業務全体を効率化できます。

freee会計が向いている建設業者

小規模〜中規模の建設業者や、経理業務の効率化を重視し、スピーディーな記帳を求める企業におすすめです。特に、クラウドサービスを積極的に活用し、デザイン性や使いやすさを重視する企業に向いています。

マネーフォワードクラウド会計:詳細な分析と強固な連携で経営をサポート

マネーフォワードクラウド会計は、豊富な機能と高い連携性で、緻密な原価管理や多角的な経営分析を求める建設業者に強みを発揮します。

マネーフォワードクラウド会計の建設業におけるメリット

  • 金融機関との連携強化: 銀行口座やクレジットカードとの自動連携が非常に強力で、記帳の手間を大幅に削減します。
  • 詳細なレポート機能: カスタマイズ可能なレポート機能により、工事別、期間別など多角的な分析が可能で、経営判断をサポートします。
  • 多様なクラウドサービス連携: 建設業向けの基幹システムや、勤怠・経費精算システムなど、幅広い外部サービスとの連携実績が豊富です。

マネーフォワードクラウド会計が向いている建設業者

中規模以上の建設業者や、緻密な原価管理や多角的な分析を重視する企業、既存システムからの移行や、他サービスとの強固な連携を求める企業に適しています。

建設業特化:現場・原価管理機能の徹底比較

建設業において最も重要な現場・原価管理機能について、両者の強みと弱みを深掘りします。

原価管理機能の比較

  • freee会計: プロジェクト機能を活用することで、工事ごとの費用と売上を管理できます。勘定科目の設定を工夫すれば、ある程度の原価配賦も可能ですが、建設業特有の複雑な配賦処理には外部ツールとの連携や独自の運用が必要です。
  • マネーフォワードクラウド会計: 勘定科目や補助科目を柔軟に設定できるほか、タグ機能を使って多次元的な原価分析が可能です。また、外部の建設業向け原価管理システムとの連携実績が豊富で、より高度で専門的な原価管理体制を構築しやすいのが特徴です。

現場管理機能の比較

  • freee会計: 会計データと紐付けてプロジェクトの進捗を管理できます。しかし、日々の現場の進捗状況、作業員の配置、資材管理など、現場固有の詳細な管理機能は単体では限定的です。
  • マネーフォワードクラウド会計: 会計ソフト単体での現場管理機能はfreeeと同様に限定的ですが、API連携に強みがあります。外部の建設業向け現場管理システムやERPとの連携により、会計データと現場情報をシームレスに同期し、情報の一元化が可能です。

連携機能の比較

  • freee会計: freeeの他サービスとの連携は非常にスムーズで、バックオフィス全体をfreeeエコシステムで構築したい場合に最適です。APIも公開されており、外部ツールとの連携も可能ですが、建設業特化のニッチなツールとの連携は個別に確認が必要です。
  • マネーフォワードクラウド会計: 幅広い金融機関との連携に加え、勤怠管理、経費精算、給与計算といったマネーフォワードクラウドシリーズとの連携が充実しています。さらに、多くの建設業向け基幹システムや販売管理システムとの連携実績があり、カスタマイズ性も高いため、多様な業務フローに対応しやすいでしょう。

まとめ:あなたの建設会社に最適なのはどちら?

freee会計とマネーフォワードクラウド会計は、それぞれ異なる強みを持っています。

  • freee会計は、 直感的な操作でスピーディーに経理処理を進めたい、小規模〜中規模の建設業者に最適です。クラウド会計を初めて導入する企業や、バックオフィス業務全体をシンプルに効率化したい企業に向いています。
  • マネーフォワードクラウド会計は、 詳細な原価管理や多角的な経営分析を重視し、既存の複雑な業務フローや外部システムとの強固な連携を求める中規模〜大規模の建設業者におすすめです。

どちらのツールも無料トライアル期間を設けています。実際に使ってみて、自社の業務にフィットするかどうかを確かめることが最も重要です。ぜひ、この比較記事を参考に、最適な会計ソフトを見つけてください。